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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

ニュースレターWEB


~ネット依存と改正少年法~

 スマートフォンの普及に伴い、若年層をはじめ、特に中高校生が犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。出会い系サイト・コミュニティーサイト等を利用して知り合った大人から、裸の自画像を求められたり、また、脅かされたりして児童ポルノや児童買春被害事案に巻き込まれてしまったりするケースが全国で発生しています。関連するゲーム依存症も深刻です。解放感のある夏休みを迎えるにあたり、今回のニュースレターでは、保護者への注意喚起に必要な家庭でのスマートフォンの利用ルールやゲーム依存症について、また、本年4月1日施行された、改正少年法に伴う少年事件発生後の現在の流れについてのポイントに触れたいと思います。

1. 家庭でのスマートフォンの利用ルール

犯罪やトラブルから子供を守るために、スマートフォンの場合はフィルタリングの利用とともに、子供とコミュニケーションをとりながら、インターネットの危険性を教えることや、家庭でもルールを作ることが大切です。改めてではございますが、保護者にも、以下の点について注意喚起を促していただきたいものです。
① 接続するサイトやロードするアプリは保護者に確認する。
② 個人を特定される情報を書き込まない。
③ 知らない人と電話やメール、メッセージの交換をしない。
④ 他人のパスワードを勝手に使用しない。
⑤ 下着姿や裸の写真は絶対に撮らない、撮らせない。
⑥ 利用時間や利用料金を決めておく。
⑦ 困ったことがあれば、必ず保護者や先生に相談する。
⑧ 家庭でのルールを守れなかった時のルールを決める。

2. ゲーム依存症について

世界保健機関(WHO)は、アルコールやギャンブル依存症と同様に、「ゲーム依存症」を疾病と位置付けています(。2022年から)ゲーム、SNS、動画など様々なコンテンツを切れ目なく使っているうちにスマートフォンから手が離せなくなるネット依存は、生活習慣を乱すとともに、ネット上のリスクに遭いやすく、前述した犯罪などに巻き込まれるケースがあります。
保護者が家庭でもネット利用を見守っていくとともに、学校でもその危険性を指導していくことが従前から求められています。節度をもってゲームを楽しむことは問題ではありませんが、長時間のめり込み、成績が低下し、心身に重大な影響を来たしている現状があることは非常に問題です。家庭では勿論、学校サイドでも現状認識とその対策が叫ばれるところです。

(報道記事、警察統計資料及び東京都防犯協会発行資料等参照)

ゲーム障害ならびにインターネット依存傾向を示す人々の割合の変化
(2021年10月15日更新) ※★は有意差があることを表す
ReseEdより

富山大学の調査によると、ネット時間が長いほどゲーム依存への危険性が高まることが明らかになっております。また、KDDIらの調査ではコロナ禍で依存傾向がある人を示す割合は、ゲーム障害が1.6倍増加、ネット依存が1.5倍増加となっています。
このような依存からゲーム障害だけでなく、犯罪に巻き込まれてしまうケースもあるので、注意が必要です。

※ゲーム依存の診断項目は、「ゲームを使用する時間をコントロールできない」「生活の中でゲームを優先してしまう」「生活上(学業、家庭、仕事等)において、ゲームのせいで重大な問題を起こしている。それでもゲームをやめられない」の3点。この3点すべてに「はい」と答えた児童をゲーム依存としています。

3. 改正少年法(令和4年4月1日施行)に伴う現在の手続き(概要)

わかりやすく図で示しました。お役立て頂けると幸いです。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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