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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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~少年の家出および薬物乱用について~ 前篇

夏休み期間中や夏休み明けの時期は、少年が家出、深夜徘徊などの不良行為や薬物乱用等の非行に走りやすい傾向にあります。
また、前回も福祉犯罪被害者事例として紹介しました、スマートフォンなどによるコミュニティサイト利用をきっかけとして知り合った者から性的被害を受けたり、有害業務に従事させられるなどの悪質な福祉犯被害に遭うケースも少なくありません。
最近では、いわゆるJKビジネスといわれている、女子高校生らをして客にマッサージサービスや会話、ゲームを楽しませるサービスが出現するなど、少年の健全育成上大きな問題となっています。
そこで今回は、少年の家出及び薬物乱用について、警察統計資料、公益財団法人東京防犯協会連合会発行資料「家庭と防犯」及び厚生労働省発行の資料などを基に作成いたしましたので、今後の生徒指導や保護者への連絡等の一助になれば幸いです。

1家出少年の実態(平成27年中都内)


東京都内で発見・保護された家出少年は1,125人で、前年に比べ13人増加しました。このうち警察官が街頭活動などで発見・保護した少年は650人(57.8%)でした。

○月別発見状況
家出少年の月別発見状況を見ると、9月が132人(11.7%)と最も多く、次いで10月が112人(20.0%)、8月が109人(9.7%)の順となっています。

○主な原因・動機
昨年中の主な動機を見ると、家庭関係662人(58.8%)が最も多く、次いで遊び癖99人(8.8%)、学校関係75人(6.7%)の順となっています。

○男女別・学職別の発見状況
男女別では男子587人(52.2%)、女子538人(47.8%)で、男子が若干上回っています。
学職別では、中学生が369人(32.8%)と最も多く、次いで高校生の325人(28.9%)、無職少年163人(14.5%)の順となっています。

2家出をさせないために、家庭などで心掛けてほしいこと


○家出の「兆し」を察知する
子どもが家出をするときには、必ず兆しがあります。
以下のような点に注意して、子どもをよく観察することが必要です。

・行き先を告げずに外出する。
・夜遊びをするようになったり、無断外泊が多くなる。
・夜遊びが高じて昼夜逆転の生活になり、学校へ行かなくなる。
・服装や化粧などが派手になり、反抗的になる。
・隠語を使ったり、言葉遣いが悪くなる。
・保護者に隠れて携帯電話を頻繁にかけたり、メール交換にふけるようになる。
・どんな友達と遊んでいるのか保護者が聞いても言わなくなる。

このような変化に気付いたときは、いきなり叱るのではなく、子どもの言い分にも十分に耳を傾け、愛情と思いやりを持って注意、助言を与えることが必要です。



○保護者に心掛けてほしいこと
親が子どもの話に耳を傾け、子どもにとって家庭が心落ち着く場であれば、家出にまで至る可能性は低いでしょう。保護者の皆様には、ぜひ以下のような点に気をつけていただきたいと思います。

・子どもの言動に気を配る。
・規則正しい生活習慣を身につけさせる。
・子どもの趣味や関心事について、保護者も話題を共有する。
・子どもの成長に配慮し、子どもの意思や存在を尊重する。
・特に、自立の意識が芽生える12~13歳頃からは、過剰に干渉したり、親の期待を押し付けることのないように気をつける。
・兄弟間で差別することなく、平等に接する。
・子どもの前で夫婦げんかをしない。

不安なことがあれば、身近な相談窓口に連絡することをおすすめします。警察は、「一人で悩まず相談を」と呼びかけています。

<一人で悩まず、まず相談を>

東京都内の相談窓口
☆ヤング・テレホン・コーナー03-3580-4970
☆あなたの街の少年センター
大森、世田谷、新宿、巣鴨、台東、江戸川、立川、八王子に少年センターがあります




この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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