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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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不祥事防止の重要性

今回のニュースレターは不祥事防止について、最近の傾向や対策の参考、また、SDGsの観点からその重要性についてお伝えしたいと思います。

 

◆最近の傾向

 

全国の学校では、残念ながら教職員に関する多くの不祥事が発生していて、日々、各種媒体で報道されておりますが、令和4年7月~12月末までの半年間においては、教職員のわいせつ事案(盗撮・痴漢など)に伴う報道が最も多く、131件でした。
これは前年の同時期と比較すると、29件増加している状況です。
次に多く報道されていたのはハラスメント事案(セクハラ・パワハラなど)で、66件ありました。
これも前年同時期と比較すると15件増加している状況にあります。
一方、昨年同時期に報道件数0件だった教職員の「詐欺」に関する事案については、令和4年7月~12月までの間に8件報道されていますので、新たな不祥事の傾向として「詐欺」に関する事案を捉えておく必要があると思います。
(件数は全て当機構独自調べ)

 

 

「詐欺」の内容については、助成金等の不正請求や不正利用、また、知人にローンカードを作らせて金員を騙し取る、さらには学校内での経費の過大請求をしていたこと等が確認できる状況です。
学校としては当然ながら教職員の「悪事」を警戒する必要があるのですが、複数の教職員が学校からお金を騙し取る行為についても同様に警戒が必要だと思っております。
それは、悪事を働く人物の中には周囲に虚偽の発言や脅迫、さらには職務上の地位を利用しながら複数の職員を抱き込んで悪事へ加担させてしまう人物もいるからです。
これは公立学校や私立学校を問わず全国的に言えることです。
今、このニュースレターに、こういった記述をしなければならないほど、様々な悪事が表面化してきているのです。

 

◆対策の参考

 

国は私立学校(学校法人)で大きな不祥事が続いていたことから、様々な制度改革を進めておりますが、この流れは大学以外の設置校がある小規模な学校法人にも形を変えながら広がっています。
これは、ガバナンス(経営サイドの不正を防止する仕組み=経営の規律)と内部統制(経営サイドによる、内部で想定される教職員の不正を防止する仕組み=規程の整備等)が強化されているということです。
さらには、組織内外に不確実な事象が発生する頻度と影響度のコントロール(リスクマネジメント)も必須になってきています。
残念ながら、すでに日本は以前のような性善説が通用するような国とは言えなくなってきていると思うのですが、せめて学校という場所は安全安心な場所であってほしいと願っています。

 

◆SDGsの観点

 

世界的に持続可能な社会を目指すSDGsの17の目標の16番目に「平和と公正をすべての人に」が掲げられています。
この目標の中には「あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる」「あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる」という小目標が立てられています。

学校はこのようなことを重要課題の一つとして位置づけ、リスクの顕在化を未然に防止することが大切です。
さらには顕在化した際にもきちんと対応ができる体制を構築し、健全な経営環境を維持していくことが求められています。
これは公立学校だけではなく、公の性質を有する(教育基本法第6条第1項)私立学校(学校法人)においても言えることです。
これからの学校には不正行為を防ぎ、透明性の高い組織になるためのリスクマネジメントが求められているのです。

 


※この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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