TOP
学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

ニュースレターWEB


教職員がカッとして失敗しないための思考技術

みなさんは、カッとしてつい失言してしまった、という経験はありませんか?とくに、保護者からの理不尽なクレームや遠慮のないマスコミ対応に日々苦慮しているご担当の先生は、感情的にならず冷静に対処することの難しさを実感されていることと思います。
ついカッとして暴言を吐いたために、人間関係が壊れてしまったり、ひどいときには職を失ったりする人もいます。怒りをコントロールし、常に冷静な態度を保つことは、危機管理においても日常生活においてもとても大切なのです。

ステップ1:
自分の思考·言動のクセを知る


怒りをコントロールするための第一歩は、自分の思考·言動のクセを知ることです。自分はどんなときに怒りを感じるのか、そのときにどんな行動を取ることが多いのか。一度紙に書き出してみるといいでしょう。言葉にして文字に書き記すことで、客観的に自分のくせを認知することができます。

例①私は怒りっぽい性格で、ミスを指摘されるとカッとして頭に血が上ってしまう。
例②私は話し相手の論理の矛盾を指摘してしまうクセがある。
例③私は何でも「子どものため」と自分に言い訳をして、第三者の意見を聞かず、現実から逃避する癖がある。
例④私はいつも言い訳から先に言ってしまい、自分の正当性を主張することに終始してしまう。
例⑤何かあるとすぐに原因を他人や周囲の状況に求めるクセがある。自分から謝るのは絶対に嫌だと思う。

他人に読ませるものではないので、素直になってありのままを書き出すことです。そのほうが、後になって効果を実感しやすいのです。
また、毎日自分の怒りの感情をその大きさごとに5段階で数値化し、日々の出来事の怒りレベルを記録化(アンガーログ)すると、自分がどういう時にどれくらい、どのような怒りを感じているのかが把握できるようになります。

ステップ2:
自分の思考・言動に気づく


次のステップは、クレーム対応をしている最中に、自分の思考・言動を客観的にチェックする習慣をつけることです。話しているときに怒りの感清が湧いて来たら「私は今怒っている」とその場で気付くことを目指します。「もう一人の自分」が自分自身をチェックしているイメージです。ステップ1で、怒りのパターンを書き出しておくと、「あ、いつものパターンだな」と気づきやすくなります。
これは、自分を客観視するということです。これだけでも、怒りはかなりトーンダウンするはずです。

ステップ3:
自分の思考・言動をコントロールする


「もう一人の自分」が思考・言動のクセに気づいたら、今度は「そのクレームを拡大させないためにどのような思考・言動をするべきか」と考えます。
「いつものパターンで、つい大声をあげたり、横柄な態度をとってしまったら、クレームを拡大させるだけだ」ということに気づき、「ではどうするか」と、いつものパターン(認知)を修正していくのです。

たとえば、例④の人が、クレーム対応の初期段階で「自分は悪くない、悪いのは00だ」と自分の正当性を主張したくなったら、「今、ここで正当性を主張しても、クレームは終息には向かわない。逆に保護者を怒らせてしまう可能性が高い。まずはしつかり話を受け止め、クレームを拡大させないようにしよう」と自分のいつもの認知を修正していくのです。

少し難しい話になりますが、もう一人の自分が常に自分のことを監視し思考や行動をコントロールすることを「メタ認知」といいます。メタ認知は、知識の理解や、内省を繰り返すことでレベルアップが可能な能力です。常に冷静な状況判断ができる能力を高めるために、自分の行動に対し常に内省することを習慣にしてほしいと思います。



自分の感情は自分でコントロールできる


自分が冷静を保とうとしても、相手が感情的になり怒りをぶつけてきたら、ついそれにつられてしまう、という人もいるかもしれませんが、ここで覚えておいてほしいことがあります。それは、「自分の感情は相手にコントロールされるものではない」ということです。相手がいくら怒っていても、その感情に自分が影響を受けるかどうかは自分で決められるはずです。自分の感情は自分でコントロールできると信じ、引きずられないことです。相手にコントロールされで悩んではいけません。

怒りが抑えられないときは、戦略的にその場を離れることも大切です。冷静さを取り戻してから再度話し合いに応じます。その場を離れる理由については「資料を取ってくるので少しお待ちください」など臨機応変に対処します。
その場を離れられない状況のときには、自分の怒りの意識を他にそらす工夫をします。たとえば目の前の机の傷などを探して、心の中で1つ、2つ、3つ…と数えるということもバカにできないテクニックです。単に数を数えるだけでも効果はあります。別のことに意識を集中させることで、気持ちに余裕ができ、怒りの感情を鎮めることができるのです。
これを習慣化させると、カッとして反射的に相手に暴言を吐いてしまうというリスクを回避できるようになるでしょう。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


03-3221-5657            

受付時間:  月~土  9:00 ~ 21:00

(祝日、年末年始、休業日等除く)

menu