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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
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教員への暴力事件に思うこと

先月末に発生しました、教員が生徒から暴力を振るわれた事件につきまして、当機構マネジャーの上原和吉(警視庁元警視)が以下の文章を寄稿しましたので、ご紹介させていただきます。

「教員への暴力事件」に寄せて


先日の新聞に、私立高校生が授業中に、授業とは関係ないタブレット端末を操作して映像を見ていたため、授業担当の講師がやめるよう注意し、従わなかったので同タブレットを取り上げたところ、同講師が男子生徒から暴力を振るわれたとの記事が掲載されていました。
事件当時、暴力被害を受けた同講師は、この事実を学校に報告しておりませんでした。
しかし、クラスの生徒がスマートフォンでその様子を撮影しており、暴力を振るっている状況がSNSに投稿され、それを見た他の同級生が別のグループに投稿し拡散。これにより事件が発覚しました。
その後、同生徒が逮捕までされたことで、電話やメールで生徒への非難や学校への問い合わせや苦情が殺到しているといいます。

恐らくは、全く予期しない出来事で対応にかなり苦労していることが窺われる事件だと推測されます。
そもそも、今やネット社会。これをいかにクリアして学校運営をしていくか、現場である学校サイド及び関係各位の苦悩するところでしょう。
当機構でも、先の学校リスクマネジメント通信の7・8月号でも取り上げました少年を取り巻く非行問題の中で、現代のネット社会を反映して「JKビジネス」、「児童ポルノの自画撮り」などさまざまな問題が生じていることは疑いのない事実です。
これに対して、家庭はもとより、学校側はいかにどのような対策をとるか独自のルールを決めている学校も多いかと思われます。
ネットでの交流は大変楽しく便利なものですが、ルールやマナーが必要であることは言うまでもありません。
その一例を挙げてみます。

・ 勝手に他人の写真を撮って送ったり、他人が書いたものを転送したりするのは、ルール違反。ネットで広がってしまうと、いたずらではすみません。
・ ネットで悪口を書かれたり仲間はずれにされたりすることは、やった人の予想以上に傷つくもの。人を傷つける使い方はやめようなど基本的な倫理観を醸成する必要があります。

秋を迎えて学校生活でもさまざまな問題が多く発生する時期です。
働き方改革も叫ばれている昨今、教職員一人ひとりが抱える多くの問題点をこなすには大変な労力と対策が費やされます。
健康には十分ご留意されることは勿論のこと、他山の石として、想定しうる事前対策も怠ることなく万全を期したスムースな学校運営を願うところです。




当機構では、今回の事件について「学校内の風通し」と「家庭教育」の観点からかなり問題のある事例だと感じています。

「学校内の風通し」について問題があると考えられる要因は、撮影した生徒がSNSに掲載しなければ、事件が発覚することは無かったであろうという点です。
これだけ大きなトラブルが起きていながら、当初同講師は学校に報告を行いませんでした。この状況は学校運営に於いて決して健全な状態とは言えません。このような報告がしにくい空気感があり、報告しないという選択が常態化しているのではないでしょうか。
トラブルが起きたら速やかに報告、対応策を打つ体制を整えていた場合、このような拡散は防げたのではないかと思います。

次に、「家庭教育」の問題です。
今回の例は、講師の指導を素直に聞かず、暴力を振るうまでに至ってしまうという生徒の性質は、家庭教育にも問題があるのではないかと考えられます。
家庭教育については、学校が直接関与できる領域ではありません。
しかし、教育の方法が間違っている家庭や、そもそも教育を意識していない家庭も近年では増加しているのも事実です。
このまま放置すれば、あなたの学校でも同じような事件が頻発する可能性もゼロではありません。
入学式や面談、授業参観、保護者会など、保護者と接する機会に家庭教育について呼びかけるほか、家庭教育の専門家を招き、学校主催で講習会を開催する、といったサポートも必要となるかもしれません。
家庭教育に関して、学校側から家庭に呼びかけが必要な時代に入ってきたのではないでしょうか。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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