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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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学校として情報の真意を理解し危機管理の対策を講じる

◇おかげでさまで創立16年


当機構はこの10月を持ちまして創立16年目を迎えることとなりました。この間、一貫して学校業界のトラブル対応の支援に特化し続けて参りました。これはひとえに、会員の皆様や、このニュースレターを毎回楽しみにご覧頂いている貴校の温かい気持ちがあったからこそと考えております。スタッフ一同、厚く御礼を申し上げます。今後ともあなたのお役に立てる存在であり続けると共に、学校の危機管理力向上に貢献させて頂く所存でございます。末永く当機構を宜しくお願い申し上げます。

◆情報のその先にあるもの


視野を広げるということは、危機管理の対策を練る上で非常に大切な要素だと思います。視野が広がることによって、これまで予測できなかったリスクを鮮明な映像のように捉えることもできるようになりますし、更には危機発生に繋がるハザードを早期に発見していくことにも繋がっていきます。視野を広げるためには、情報が不可欠だと思います。但し、一方向の情報では誤った判断を招いてしまうリスクが高まります。正確な判断をしていくためには様々な視点で捉えた複数の情報が必要になるかと思われます。
まずここで申し上げたいのは、情報弱者では的確な危機管理対策を施すことができないということです。現時点での新型コロナウイルスの事象を例として考えるのであれば、「児童生徒等における重症化リスクは高くない」という情報を持っている場合と、「新型コロナウイルスは恐ろしい」という情報しか持っていない場合とでは、学校として講じることができる対策も変わっていくと考えられます。今、社会では情報が溢れています。ニュース報道が全て正しいのか、ネット情報を鵜呑みにしても良いものなのか、この情報はどういった意図があって世間に流通されているものなのか、、、情報というものは実に厄介です。私たち現代人は情報を無意識レベル(フィルターをかけていない状態)で受け取ってしまう習慣が備わっていると思われます。無意識に情報を受け取ることに慣れてしまった場合、「判断する・吟味する」といった意識を低下させてしまうことにも繋がりかねません。昨今、社会が混乱してしまっている原因の多くは、実際、そこにあるのかもしれません。

◆新型コロナウイルス感染症


新しい入院措置運用が意味するもの2学期に入り、貴校の感染症対策は円滑に運用されていますか?さて今、感染症対策と聞いて、恐らくあなたは「新型コロナウイルス(COVID-19)対策」を想起したのではないでしょうか。しかし数年前までは、毎年冬に流行する季節性インフルエンザを思い浮かべたのかもしれません。即ち、今年の冬は季節性インフルエンザと新型コロナウイルス双方のリスクを考慮し、対策を講じていかなければならない年になると考えられます。(昨年比ではインフルエンザの感染者が大幅に減っているようです。)やはり新型コロナウイルス感染症対策で構築された、「マスク等の感染予防策が無い状況では、相手との距離を1メートル以上(できれば2メートル)保ち、接触時間は14分以内にする」(国立感染症研究所積極的疫学調査実施要領及び厚労省担当者の見解を加味した当機構の見立て)という周囲に陽性者がいたとしても濃厚接触を防ぎやすい対策を実行しながら、季節性インフルエンザの対策にも別途、備えて頂きたく思います。

10月14日、厚生労働省は無症状新型コロナウイルスの病原体保有者と軽症者はホテル等を利用した療養を基本とする方針を明らかにしました。これまでは、全感染者に対して入院勧告が可能であったため、一部の自治体では重症化のリスクが低いと考えられる軽症者等にも入院を促していました。しかし今回、改正された政令(10月24日施行)では、65歳以上の高齢者や、基礎疾患をもつ人、蔓延防止に必要な事項を守ることに同意ができない人が入院の対象とされました。こういった運用に変更された理由については、厚労省が開示した「新型コロナウイルス感染症の感染症法の見直しに関するQ&Aについて」で、いくつか触れられていますので今回はその1つをご紹介させて頂きたいと思います。

「新型コロナウイルス感染症の感染症法の見直しに関するQ&Aについて」

<新型コロナウイルス感染症の入院勧告・措置の運用の見直し関係>

 入院する病床に十分余裕がある場合においても、無症状病原体保有者や軽症者は入院ではなく宿泊療養・自宅療養をお願いしてもよいのでしょうか。

 「季節性インフルエンザの流行期などに患者が増加してくることが想定される中で、同様の対応をしていると、重症で入院による加療が必要な方や、重症化リスクが高い方の病床の確保が難しくなる」

あなたは上記の理由をどう感じましたでしょうか?前項で述べさせて頂いた情報の視点で鑑みると「医療崩壊を防ぐために施行される措置である」と捉えますか?それとも「新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが一般的なニュース報道に反して下がったのではないか」と捉えますか?この2つの解釈、、、この2つの選択、、、それによって学校の動きや対策が変わってくるということをイメージできますか?前者の「医療崩壊を防ぐために施行される措置である」と読み取った方は、学校内でクラスターを発生させることが絶対にあってはならないという方向性を一番軸にして方策を立てることになると思います。
反対に、後者の「重症化リスクが一般的なニュース報道に反して下がったのではないか」と捉えた学校は、万全な感染症対策等を実施した上で、行事等を開催するのかもしれません。また、情報をどのように発信していくのかということについても学校が求められる要素だと考えられます。「医療崩壊を防ぐため」という視点が強い保護者に、学校の方針として「行事を再開していく等」の異なる判断を根拠も示さずに説明してしまえば、場合によってはクレームの種となることもあるはずです。どちらにせよ、明確な根拠を示しての説明が必須です。

今回ご紹介した政令の改正については、あくまで1つの情報として受けとって頂ければと思うのですが、学校によってはこの情報が直接的に関連しないこともあるのかもしれません。しかし大切なことは、その先にある情報を収集し、本質を読み取ることだと私は思っております。そしてそのことが、リテラシーの向上という危機管理の視点において重要な役割を果たしてくれると思うのです。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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