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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
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ニュースレターWEB


少年非行の概況(前編)

夏休みは開放感からか、子ども達が思わぬ非行に走ったり、事件、事故に巻き込まれたりするケースが多く認められております。
今回のニュースレターは、最近の子ども達を取り巻く出来事の問題点や、子ども達が直面している環境実態をお知らせします。
いま一度ご確認の上、家庭や学校での指導に役立てていただければ幸いです。

東京都内の犯罪概況


昨年中における都内での刑法犯認知件数は、12万5,258件で、昨年の同期と比べて9,361件(約7.0%)減少し、平成15年以降連続して減少しています。
また、刑法犯少年の検挙・補導人員は、4,568人で、昨年の同期と比べて269人(約5.0%)減少しました。
街頭犯罪(路上強盗・ひったくり・自動車盗・オートバイ盗・自転車盗・車上ねらい・部品ねらい・自動販売機ねらいなど)の認知件数も、4万9,267件で、6,896件(約12.3%)減少し街頭犯罪における少年の検挙・補導人員は658人で、127人(約16.2%)減少しました。
特に街頭犯罪のうち、少年の検挙・補導人員の占める割合が高い罪種は、オートバイ盗(約88.%)、自動販売機ねらい(65.4%)、部品ねらい(約57.8%)でした。

東京都内の少年犯罪の概況


刑法犯少年の検挙・補導人員は、平成22年以降、減少しています。
しかし、平成29年12月末、ひったくりで検挙・補導された少年は24人で、昨年同期比11人(約84.6%)増加しています。一方、オートバイ盗は84人で昨年比23人(約21.55%)減少しています。

<非行事例>

① 被害者の態度に腹を立て、殴る等の暴行を加えて加療約1ヶ月の鼻骨骨折等の怪我を負わせ、さらに包丁を示して「お前殺すぞ。」と脅迫した中学生及び高校生の少年が傷害罪、暴力行為等処罰に関する法律違反で検挙された。
② 錠のかかっていない窓から飲食店に侵入し、店内から現金約5万円を盗んだ高校生ら少年3人が窃盗罪で検挙。少年らは、他の少年らと共に同地区において連続して盗みを繰り返していた。
③ SNS上のトラブルから、被害者に殴る蹴る等の暴行を加えた上、タバコの火を左肘に押し付けて、約3ヶ月の加療を要する見込みの外傷性くも膜下出血等の怪我を負わせた女子高校生ら2人が傷害罪で検挙された。
④ 付き合いが悪くなったことに腹を立てて、被害者に殴る等の暴行を加えて、全治2ヶ月を要する顎骨折等の怪我をさせた男子高校生3人が傷害罪で検挙された。
⑤ 被害者の態度が悪いことに腹を立てて、被害者を殴打し、全身にタバコの火を押し付け、ハサミで被害者の頭髪を切断した上、衣服のまま池に入らせた男女高校生6人らが傷害罪、強要罪で検挙された。
⑥ 被害者の少年に因縁を付け、殴る蹴る等の暴行を加えて、約7日間の加療を要する頭部顔面打撲等の怪我を負わせた男子高校生5人を含む、少年7人が傷害罪で検挙された。

一方、振り込め詐欺等の特殊詐欺は117人で、昨年同期比32人(37.6%)増加しており、少年が占める割合も、19.8%で依然として高水準にあり、少年の関与が大きな社会問題となっています。
窃盗犯のうち、万引きで検挙・補導された少年は1,740人で、昨年同期比15人(0.9%)増加していて、窃盗犯全体の約6割強(65.0%)を占める等、依然として高水準にあります。

◇◇夏休みを迎えるに当たって◇◇


近年は、SNSやインターネットを介した非行や犯罪被害が増加しています。
子ども達がトラブルに巻き込まれない、被害に遭わない、非行に走らないために注意したいことをまとめます。

1.SNS利用の注意点


SNSをきっかけに知り合い、自分の裸の写真を送らされる「自画撮り」被害や、淫行や児童買春などの性犯罪に巻き込まれるケースが相次いでいます。
中でも中・高校生の被害が圧倒的に多いのが心配されます。スマートフォンの利用は低年齢の子どもまで広がり、通信手段としては便利でありますが、犯罪に巻き込まれるケースが相次ぎ、家庭では勿論のこと、学校でもその危険性の教育も必要になってきています。
また、ブログなどのインターネット上に掲載された、水遊び・身体測定といった行事の半裸・全裸の児童・生徒等の画像や水着・レオタード姿等が無断で他の児童ポルノ関連サイトなどに転載されるケースも増えています。これらの画像は、児童ポルノ愛好家にとって「お宝画像」となっています。しかも一旦転載された画像は何回もコピーされ、回収は困難です。ブログやホームページなどへの画像掲載には以下の点などに注意するが必要があります。

○ 安易に全裸、半裸、水着・レオタード姿等の写真を掲載しない。
○ 名札など個人名が分かる写真は掲載しない。
○ サイト(ブログ)にパスワードを設定し限られた者しか閲覧できないようにする。
○ 過去に載せた画像は、一定期間経過後削除する。
○ 検索サイトに載らない(検索されない)設定を行う。

2.ネット依存症


いわゆるネット依存症、ケータイ依存症やゲーム依存症といわれる実態として、1日に多数の友達・知人等とやりとりをすることや、ゲーム漬けで寝不足になり、朝起きられないというサイクルに陥ってしまう状況があります。そして、勉強に励み、健全な対人関係を築くなど、人生の基礎作りをする大切な時期に、このような依存症になってしまうと「うつ病」などのリスクも高まるとされています。
子ども達が依存症に陥らないよう、家庭でのルール作りは勿論、学校や周囲の大人がこれらのリスクを捉えたきちっとした指導をしたいものです。
(参考:警視庁資料及び報道資料)



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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