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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

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学校、教職員が危機管理力を手に入れる

我々は長い期間、様々な学校の危機に接し、そして支援をしてきました。
絶体絶命の危機に遭遇してしまった学校や教職員、また、不幸にも子供や教職員が命を落としたケースにも何度も接してきています。
このような中、危機を突破している学校や教職員に共通していることが7つあることに気が付きましたのでお伝えしたいと思います。それは、

① 腹が据わっているということ。(起こったことはしょうがないので、まずはくよくよせずに全力で取り組む)
② 意思決定の素早さがあるということ。(直ぐに対応方針を決める)
③ 実行力があること。(決めた事をすぐに行動に移す)
④ 状況の変化を察知するセンスがあること。(情報収集をして冷静に現状を分析する)
⑤ 軌道修正が速いということ。(朝令暮改を厭わず、現状において最適な判断ができる)
⑥ 貪欲に危機をチャンスに変えてしまうという発想を持っていること。(転んでもただは起きない)
⑦ 我々専門家のアドバイスを受け入れ、咀嚼して応用するということ。(素直さと応用力)

これらを言いかえると「危機管理力」がある、と表現することができると思います。このような特徴がある学校や教職員はどんな危機に遭遇しても突破しています。
これはあくまでも私個人の経験則なのですが、参考にして頂けると幸いです。

◆ 目に見えにくいリスクに気付く


ところで、昨年は米中の対立が明確になるなど、世界的に大きな動きがあった年でした。
少し掘り下げてお伝えすると、トランプ政権と中国共産党の対立ということであり、視野を拡げるとナショナリズムとグローバリズムの戦いです。その中で関連する朝鮮半島の動きもあり、かなり日本にも影響が出ています。
新年早々のニュースレターの内容としては、あまりふさわしくないかもしれませんが、私は日本の安全安心という面において、今年は非常に憂慮される1年になると思っています。
それは学校にとっても教職員にとっても、そして、子供たちにとっても例外ではありません。
学校や我々の身近で発生するトラブルの一部には、このような動きと関連していることもあるのです。
しかし、その関連性は目に見えにくく、高度で専門的なリスクセンス(リスクをリスクとして認識する力)が備わっていないと気付くことが中々難しい面もあるかと思うのですが、このニュースレターの読者の方には、このような「目に見えにくい側面がリスクとして考えられる」ということを記憶に留め、アンテナを張り巡らせて欲しいと思っております。

◆ 更なる治安の悪化が懸念されます


新年が明けてすぐの 元旦0時10分頃、東京都の原宿駅付近において「テロと言ってよい事件」が発生しました。犯人は20代の男性であり、車で通行人8名をはね続け、その内の1名が重症になったと報じられております。犯行に使われた車の中には大量の灯油と点火装置付きの洗浄機が積んであったとのことです。
犯人はこの洗浄機を火炎放射器のように使用することを企てていたことが分かっており、「殺そうと思い、通行人をはね飛ばした。死刑に対する報復でやった。」と供述しているそうです。
これは日本がとんでもないことになってきている証拠だと思うのですが、マスコミ報道は割と控えめな論調でした。
私は前述では「テロと言ってよい事件」との曖昧な表現をしましたが、これは諸外国で行なわれている「テロ」と同じだと思います。
三省堂大辞林によると「テロ=テロリズム」とは「一定の政治目的を実現するために暗殺・暴行などの手段を行使することを認める主義。また、それに基づく暴力の行使。」であると記されております。

この事件以外にも、私は日本の治安が相当悪化していると感じています。
それは、私が日々実感していることを含め我々の会員から日夜相談を受けている中でも言えることです。
相談内容についても、これまでの学校の常識からは考えられないことが多く発生しているのです。
更に、今年は天皇陛下の御退位及び皇太子殿下のご即位の儀式があり、また、学校にとっての懸案である働き方改革の問題も本格化してきます。
そして、来年の東京オリンピックに向けた様々な動きも出てくるはずです。
学校においては、こういった社会の移り変わりの中で、新たな歪が生じてくることも予想されるのです。

私がこの様な状況下でお伝えしたいことは、「リスクマネジメント体制を強化するのは今である」ということです。これは、学校組織だけではなく、教職員個人においても必要になってきます。

まずは、メディアリテラシーやインターネットリテラシーを高め、様々な媒体を通して、能動的な情報収集をして頂ければと思います。
それは従来の限られた新聞やテレビ等による受動的な情報収集だけでは、学校を安全安心に保つための意思決定が極めて難しい時代に入っているからです。
これらのリテラシーを高めなければ、「身近にあり、目に見えにくい重大なリスク」を認識することはできないと思います。

最後になりますが、子供たちの安全安心、そして、皆様の健康とご多幸を心よりご祈念申し上げます。
本年も少しでも皆様のお役に立てるよう努めて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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