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学校リスクマネジメント推進機構|学校と教職員向け危機管理相談
学校リスクマネジメント推進機構

ニュースレターWEB


危機管理体制を強化する

児童・生徒等を取り巻く環境


夏休みを終えて、これからさまざまな困難を乗り切る覚悟で気持ちを切り替え授業に臨まれていることと思います。夏休みの新聞に掲載されていた「児童虐待件数の増加で児童相談所の態勢が追いつかない」という記事が目に留まりました。
最近、いじめ・自殺とともに児童虐待を巡る対応が取り沙汰され、全国の児童相談所が昨年中に扱った児童虐待件数は過去最悪の15万余にも上り、10年前の3.7倍だったといいます。これは児童虐待の関心が高まり学校や近隣住民からの相談や警察からの通告事案が増えてきているというものでした。確かに虐待については、今や家庭ばかりの問題だけでなく、学校や自治体、それに警察などとの連携が必要なことはいうまでもありません。何の罪もない子どもの心身が破壊されることは、聞くに忍びないものです。

子どもの性格形成に最も影響を受ける時期だけに心が痛む思いです。子どもから脱皮していない親、社会経験の乏しい親、子どもの心を知ろうとしない身勝手な親などの存在がどれだけ多いことでしょうか。これだけ社会問題となり、法整備など環境の充実を図ることは当然のことなのですが、これでは根本的な解決策にはなりません。
もっと家庭の在り方や家族の在り方など人間として、また社会の一員としてどうあるべきかなどの充実した論議があって然るべきだと思います。事件や事故があればすぐその対策はとるものの、それだけでは長期的な展望が見えてきません。それは一過性の事なかれ主義で物事を考えていると言ったら言いすぎでしょうか。

もっと、子どもを保護するとの原点に立ち、これから日本の将来を担う若人育成のために心血を注がなければなりません。記事には、現場で扱う児童福祉司が圧倒的に不足し、経験不足も否めないとあります。だからといって、何も対策をとらない訳にもいきません。

警視庁の自殺統計によると、例年8月、9月には小・中学生の自殺が多くあり、友人関係がうまくいかない、授業についていけない、集団生活に馴染めないなど、大きな不安を抱いて学校に戻れるかを訴えていることが分かります。
また、やせた子やあざの痕跡があったり、怪我をしている子どもなどは虐待を受けている可能性も否定できません。これらの悩みの実態、現状をしっかり把握し、家庭と学校、教職員同士、あるいは児童相談所などと連携を図り受け入れ態勢を充実させる必要があります。

最近は虐待死など社会的な耳目を引く事件などが相次いだため、文科省はじめ、各自治体も積極的に対策をとりつつあります。
また、警察も事件・事故に限らず家庭や学校などでの相談も積極的に受け入れている現状を考えると、これらの子どもを取り巻く関係機関のアドバイスなどを積極的に活用することも必要です。

このような中、さいたま市の小4男児殺害事件が発生してしまいました。本日現在、父親が死体遺棄と殺害への関与を仄めかしているとの報道がなされています。32歳の父親は義父であり、42歳の母親は教員との報道もあります。まさに間もなく逮捕か?というタイミングですので、このニュースレターがお手元に届く頃には新たな事実が判明していることと思います。
このように、最近の日本ではこれまでの「常識」では考えられない、児童に関する事件が多発しています。

新たな視点


そもそも、我々が考える「常識」とは、これまでは国内の受動的な情報によって形成されてきたと考えられます。まさに教育や報道が常識形成の主な手段でした。しかし、昨今においてはインターネットが身近になっていることから、受動的な情報だけではなく、能動的に世界の情報に接することが出来るようになっています。
その結果、現在では個人がそれぞれ捉えている「常識」には、メディアリテラシーの有無に起因して、大きな幅が出来てきているものと考えられます。例えば、アメリカでは政財界に人的ネットワークを有している有名な人物が児童買春や未成年女子の人身売買容疑で逮捕されていますが、日本では殆ど報道されておりません。
その他にも、想像を絶する児童虐待に関する情報が国外では溢れています。

当然ですが、このような情報を知っている人と、知らない人とでは、先述した児童虐待や小4男児殺害事件の感じ方も違うことになってしまうと思うのです。つまり、これらの事件を世界という枠で捉えると、決して「常識」では考えられないということにはならないのです。そして、日本でも明らかにグローバル化は進んでいるため、リスクマネジメントの視野を広げる必要があるのです。
私がここでお伝えしたいことは、「いつどこでこのような事件が発生しても決しておかしくはない、という新たな「視点」を受け入れざるを得ない時代に入った」という事です。
学校リスクマネジメント推進機構では日々、様々な学校のトラブル対応の支援をしておりますが、最近では明らかにトラブルの質が変わってきていることを実感しています。また、様々な会合でも頻繁にこのようなことを耳にします。
そして、この現状に合わせて我々の支援内容も常に変化しているのです。

これからの学校は、このような「視点」を正面から捉え、危機管理体制を早急に強化していくべきではないでしょうか。私は真剣にそう思うのです。それはまさに、あなたの行動や決断が子どもたちを救うことに直結しているからです。早速、できることから始めて下さい。今が行動する時です。



この記事は当機構が制作・発行している「学校リスクマネジメント通信」をWEB版として編集したものです。


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